昨年4月から九州交響楽団の定期演奏会前に「目からウロコ!?のクラシック講座」を担当しています。今年度のこれからの予定は,9/9(土),9/23(土),10/18(水),11/15(水),1/19(金),いずれも時間は午後2時から3時,場所は福岡市中央区のアクロス福岡円形ホールです。

講座は定期演奏会2〜3週間前に開催され,上演曲目の解説を行なっています。

この講座の特徴のひとつは解説の際の音楽例示をピアノの生演奏で行っていることです。既存の録音をそのまま提示するのではなく,ピアノの生演奏によって例示の目的に合わせて音楽を分析的に弾き分けて提示します。

1回の講座は1時間程度です。スライドを用いて写真や図,楽譜を示しながら行っています。楽譜を提示はしておりますが,聴講にあたっては読譜能力を要求しているわけではありません。現行の五線楽譜は読譜能力がなくても音楽の構造が図形として把握可能なすぐれたシステムです。

講座の目的は定期演奏会の上演曲目の聴取への集中をうながすことです。そのためには上演曲目そのものに関心を持っていただくことが大切だと思っています。ただし関心の対象範囲は人によって異なります。楽曲の構造に関心のある人もおれば,楽曲の表現内容に関心のある人もいます。また音楽史的な関心に基づいて音楽を聴こうとする人もいます。あるいは特定の関心以前に全般的な音楽知識を得たいという方もおられます。この講座ではそうしたすべての関心に応えようとしています。

残念ながら講座の時間は1時間ですので,とてもすべてを細かく解説することはできません。したがって聴講後の自主的な学習を誘発するように話題を展開させることを心掛けています。

他に私が心掛けているのは作曲家や曲に関するエピソード,つまりトリビヤルな知識に属することをふんだんに盛り込むことです。例えば作曲家に関するゴシップのようなものも紹介しようと思っているのです。じつはこれによって歴史上の巨匠が身近に感じられ,まさにその楽曲への関心がかき立てられるのです。

おかげさまでここまでやってきて,ウィークデーの昼間という時間で参加できる方が限られているにもかかわらず,円形ホールは毎回8割以上は埋まっています。新聞各紙にも取り上げられ,好評をいただいているようです。

ご来場お待ちしております。

朝日新聞2016年6月7日朝刊

 

読売新聞2016年9月17日

 

 日本経済新聞2016年7月2日