12月13日(日),九州大学大橋キャンパス多次元デザイン実験棟ホールで,「Re:freq」を聴く。「音楽実験室 公開!」と銘打たれたコンサートで,テクノロジーと深く関係した実験的な音楽パフォーマンスが展開された。
 このコンサートに関する私の手による評は毎日新聞(西日本版)12月19日夕刊に載るので,ここでは省略する。
 実はこのコンサートは私の研究室の博士後期課程在学中の藤岡定の企画によるもので,私のところで修士課程を終えた堀尾寛太や,提携校のドイツのカールスルーエ造形大学から交換留学で私の研究室に所属しているフローリアン・マイヤーなど,私に縁のあるアーティストの作品が上演された。私は表面的には企画運営には全然タッチせず,当日も一般客として入場料を払って聴いた。
 Re:freqというタイトルは,私が九州芸工大(九大芸術工学部の前身)に着任した2001年以来続けているfreqというコンサートタイトルにもとづいている。freqは九州で初めての実験的な音楽パフォーマンス音楽コンサートということで,当初は随分と盛り上がった。ここで発表された作品が内外のコンペに入賞したり,話題になったりした。ただし,数年前にfreqの運営について研究室内で意見の対立があり,それ以来,freqを外部に向けたイベントというよりも「公開ゼミ」として授業成果を見せるというふうに変えている。そのために発足時の熱気がfreqから失われたことは事実だ。ある意味で教育的配慮もあったための処置である。
 Re:freqというタイトルには,再びあの当時のfreqの熱気を取り戻したい,という企画者藤岡のメッセージが込められているようだ。このことを私はとてもうれしく思う。