中村滋延(なかむら しげのぶ/Shigenobu Nakamura)
<学歴>
1950年大阪市生まれ,高槻市育ち。1966年同志社高等学校入学直後から田口はるみにピアノを師事。1969年愛知県立芸術大学音楽学部入学。作曲を石井歓,中田直宏に,ピアノを山崎孝に師事。在学中より日本音楽コンクール作曲部門2度の入賞(1971,1973年)を果たし,1974~76年DAAD奨学生(西ドイツ政府給費生)として国立ミュンヘン音楽大学に留学。作曲をW.キルマイヤー,音楽分析をD.アッカーに師事。1977年愛知県立芸大大学院修了。
<受賞歴>
日本音楽コンクール作曲部門(1971, 73),国際ガウデアムス作曲コンクール(1976, 77),日本交響楽振興財団作曲賞コンクール(1979)、文化庁舞台芸術創作奨励国立劇場作曲コンクール(1999)、ICMC国際コンピュータ音楽会議音楽部門(1991, 95, 96, 97, 2001, 03)、国際ビデオアート賞(1976, 77)など、コンクール入賞入選多数。2010年福岡市文化賞 → 受賞歴等詳細
<職歴>
愛知県立芸術大学非常勤講師,同志社女子大学専任講師,京都芸術短期大学映像専攻教授,京都造形芸術大学教授(映像・舞台芸術学科)等多くの教育歴と,ドイツZKM(メディアアートセンター)客員芸術家,日本音楽コンクール(NHK及び毎日新聞社主催)作曲部門審査員等を経て,2001〜16年九州大学*大学院芸術工学研究院教授 (学部音響設計学科,大学院コンテンツ・クリエーティブデザイン部門)。現在は九州大学名誉教授、相愛大学大学院音楽研究科客員教授。
<活動>
現代の芸術音楽の作曲家として,作品数は交響曲5曲を含む約150曲。創作活動においては視覚的要素を構成要素とした音楽作品を得意とし,視覚的要素として舞台上のパフォーマンスを扱ったミュージックシアターと,視覚要素として映像を扱った映像音響詩の二大領域で活発な創作活動を行ってきた。その創作過程でコンピュータを活用し,アートとテクノロジーとの結びつきの観点からもその実践は高く評価され,それらの作品は海外のICMC(国際コンピュータ音楽会議)や国際メディアアート賞(ZKM/SWR)などで上演されている。九州大学大学院芸術工学研究院ではテクノロジーを活用した音楽作品の研究・教育を担当した。他に一時期NHKなどの放送関係の仕事(テレビドラマの音楽作曲)にも従事。
創作活動以外にも音楽研究や映画研究に関わる執筆活動を積極的に行い,音楽研究においては「福岡に生きた作曲家今史朗(コン・シロウ)の再評価」,映画研究においては「小津安二郎の映画の音・音楽の用法」というテーマに取り組んでいる。また,雑誌・新聞への音楽批評記事も積極的に関わる。
また多くのコンサートなどの芸術文化イベントを企画。九州大学在任中は全国大会規模の学会・研究会の企画運営の実行委員長などを務める。
2010年に在任地福岡での創作研究活動に対して福岡市文化賞を受ける。
- *2001の就任時は九州芸術工科大学。2003年10月の統合によって以降九州大学大学院芸術工学研究院,九州大学芸術工学部となる。