書評・読書ノート
森功『悪だくみ』文藝春秋
2018年2月9日 書評・読書ノート
読書ノート(180209) 「加計学園の悲願を叶えた総理の欺瞞」とサブタイトルのついた森功著の『悪だくみ』(文藝春秋、2017.12.15刊)を読んだ。新聞やテレビ、ネットで知り得た情報以上に特に目新しい情報は書かれてい …
小林よしのり『新堕落論(ゴーマニズム宣言スペシャル)』幻冬舎
2018年2月3日 書評・読書ノート
<読書ノート20180202> 久しぶりに小林よしのりの本を読んだ。『新堕落論』。彼がゴーマニズム宣言という本で社会の矛盾や問題点を漫画という形の独自の切り口で次々と明らかにしていた今から20年ほど前、一時は彼の本にはま …
伊勢﨑賢治・布施祐仁『主権なき平和国家』(集英社)
2018年1月26日 書評・読書ノート
<読書ノート20180126> 明治政府が懸命になって解消を目指した当時の欧米先進国との不平等条約(通商条約)。今、それ以上にひどいと言ってもよいのが日米地位協定。明治政府は必死になって当時の不平等条約条約を改正した。し …
鴻上尚史『不死身の特攻兵』(講談社現代新書)2017
2018年1月21日 書評・読書ノート
<読書ノート20180121> 劇作家・演出家の鴻上尚史がまさかこんな本を書いているとは思わなかった。彼のライブでの舞台を見る機会がこれまでなく、彼の本業の名声の実態についてはまったく知らない。知っているのはテレビなどで …
保阪正康『あの戦争はなんだったのか』 山崎雅弘『戦前回帰』
2017年10月1日 書評・読書ノート
今夏の終戦記念日前後、テレビで先の大戦(=第2次世界大戦/日本の関わりを強調すると太平洋戦争/中国大陸での戦闘を含めると大東亜戦争)についてのドキュメンタリー番組を集中して見た。なぜあのような無謀な戦争をし、多くの人々を …
中島岳志『親鸞と日本主義』(新潮選書)2017
2017年9月14日 書評・読書ノート
8月末に出版されたばかりの本。中島岳志の講演に感動して購入。 戦前の日本を牛耳っていた日本主義(天皇制全体主義国家の考え)に親鸞の教えがいかに関わっていたかについて書かれている。 中島は浄土真宗の信徒檀家ではないが親鸞の …
山口瞳『小説・吉野秀雄先生』
2017年8月21日 書評・読書ノート
1969年に文藝春秋から出た本である。複数の人物評伝から成っているが、題名にある吉野秀雄についての小説がメインである。その小説自体は前年の1968年に書かれている。山口瞳は戦後まもなく鎌倉アカデミアで吉野の教えを受けてい …
基調講演に触発されて—音楽表現学会2016年大会
2016年6月30日 文化政策(コンサート企画を含む)書評・読書ノート
(本稿は「音楽表現学会」での2016年の大会での基調講演についての報告のひとつとして、会員向けのニュースレター2016年度第1号に書いたものです。) 旭山動物園長坂東元氏の基調講演「動物の声を聞く」は、動物の声を講演内で …
キム・ドクス『世界を打ち鳴らせ』を読む
2010年2月1日 書評・読書ノート
キム・ドクス著/清水由希子訳『世界を打ち鳴らせ サムルノリ半世紀』岩波書店,2009を読む。2008年の夏に福岡でキム・ドクスのサムルノリの公演を聴いて強い感銘を受けており,また私のゼミの指導学生でチャング奏者のイ・キョ …
渡辺裕『音楽機械劇場』新書館
2009年12月23日 書評・読書ノート
『考える耳』などの渡辺裕の本を読んで興味を持ったので,この『音楽機械劇場』(新書館,1997)も読んでみた。 音楽とテクノロジーの問題を扱った本である。音楽史では音楽それのみを取り出して扱うことが当たり前と思われてき …
佐々木健一『タイトルの魔力』
2009年12月20日 書評・読書ノート
佐々木健一『タイトルの魔力』(中公新書,2001)はずっと以前に読んでいた。今回読み直してみたのは次のような事情による。 12月13日に福岡で『Re:freq』というコンサートがあった。コンピュータ技術を駆使したライ …
渡辺裕『考える耳』『日本文化モダン・ラプソディ』を読む
2009年12月20日 書評・読書ノート
ともに春秋社から出ている渡辺裕(音楽学者/東京大学教授)の本を2冊立て続けに読んだ。 『考える耳』(春秋社,2007)は毎日新聞に月1回連載されていて,毎回興味深く読んでいた。音楽に関することをモチーフに政治や経済, …