2017年12月1日に日本センチュリー交響楽団の「世界の庄内音楽ワークショップ」を見学しました。
このワークショップの主催者はセンチュリーと、その練習場の所在地の豊中市(共催)。協力として大阪音楽大学が加わり、ワークショップの会場を提供しています。庄内は大阪音楽大学のある地の名前です。
九州にも縁のある柿塚拓真さん(宮崎県出身、福岡市の第一高等学校の音楽科出身)がセンチュリー側の担当者、協力の大阪音楽大学側の担当者は井口淳子教授(私の長年の知人で主に中国を専門とする民族音楽学者)、ワークショップの担当は作曲家の野村誠さん。野村さんは現在40歳台後半で、日本センチュリー交響楽団コミュニティプログラムディレクターの肩書きをお持ちです。
ワークショップはセンチュリーの楽団員と大阪音大の関係者の協力を得て、「自由でたのしいオーケストラを創る」というコンセプトで行われています。参加者の年齢は幼稚園児から60歳台の方まで、およそ60名。楽器は通常のクラシックのオーケストラ用のものからお琴、シタール、鍵盤ハーモニカ、各種打楽器まで様々。演奏能力も様々、楽器演奏未経験者からセミプロ級までじつに千差万別。
野村さんの指導の下に即興を中心に音楽を作り上げていきます。混沌から秩序ある世界への変遷が見事でしたし、ワークショップの雰囲気は自由で明るいものでした。参加者はこのワークショップを通して楽器、楽譜、アンサンブル、音楽形式、音楽ジャンル、などのことを知り、音楽への創造的関心が醸成されていきます。
柿塚さんは自身のブログに次のように書いています。
「オーケストラが実験を含め色々なことを試せる機会をつくること。そうすれば次の世代に残せるクオリティを持ったものがそこから生まれる。それはオーケストラがガラスケースの中ではなく、今を生きている我々と同じ時代を同じ空間を生きることになる。だからコミュニティプログラム、ラーニングプログラムはそれ自身のみに完結せずにオーケストラ全体を、音楽全体の価値を再定義する。」
来年1月12日(金)17:00-20:00にワークショップの成果発表を含むコンサートが豊中市立文化芸術センターにて催されます。
センチュリーと豊中市、大阪音楽大学との連携が見事で、相互にプラスの作用があることが見て取れます。私の関わりの深い九州交響楽団も、例えば福岡市文化芸術財団や九大芸工などとの連携を積極的に模索すればよいのだと思います。これまでその種の経験の希薄な九州交響楽団に、この関係での提案をする必要があるのではないかと思っています。
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