<タイトル>
シンポジウム+コンサート
「福岡に生きた前衛作曲家・今史朗」

<日時・場所・入場料>
2015年3月8日(日)14:00〜17:00
九州大学大橋キャンパス多次元デザイン実験棟ホール
入場無料

<プログラム>
14:00 — 14:30
講演「今史朗の作曲活動の特質」
講師:中村滋延
14:40 — 15:50
シンポジウム「今史朗が福岡で前衛作曲家として生きた意味」
パネリスト:吉田浩(音楽ジャーナリスト)、水野みか子(作曲家・音楽学
者、名古屋市立大学教授)、檜垣智也(作曲家・アクースモニウム奏者)
ナビゲータ:中村滋延
16:00 — 17:00
コンサート「今史朗,その音楽世界」(
《テープのためのコンポジション’65》1965
・アクースモニウム:檜垣智也
《ピアノのための投射》1973
・ピアノ:宮崎由紀子
《ViolinとPianoのための4楽章》1957
・ヴァイオリン:後藤龍伸
・ピアノ:宮崎由紀子
《フルート,ヴァイオリン,ピアノによる構成Ⅰ》1973‥‥
・フルート:田室信哉
・ヴァイオリン:上野美科
・ピアノ:山本佳代子

<趣旨>
今史朗は1920年代に作曲活動をはじめ,1937年福岡に活動と生活の場を移し,1977年に亡くなるまで福岡で作曲活動を続け,生涯に100曲近くの作品を生み出した。生前,西日本文化賞,福岡市文化賞を受賞するなど福岡ではよく知られた作曲家であった。
今史朗はつねに世界の現代音楽の動向を見据えて前衛音楽を独自に切り拓いた作曲家である。その創作活動とその作品は高く評価されるべきで、もっと人に知られるべき存在だと思う。また,彼が中央を離れて福岡という場所で活動し続けたことを,地方の文化創成や地方からの文化発信という面から検証するに値することだとも思う。
講演「今史朗の作曲活動の特質」では作曲家今史朗の創作史とその作品について概略的に語る。
シンポジウム「今史朗が福岡で前衛作曲家として生きた意味」では,現代音楽のコミュニティが十分に機能していたとは思えぬ福岡で今史朗がその創作活動を展開せざるを得なかった事情を考慮に入れて彼の創作活動について議論する。そのことは地方からの芸術文化発信の可能性を併せて考えることになり、音楽創作の今日的意味を問い直すことにもなる。
コンサートは今史朗の創作史をその作品で振り返るという意味で,音列音楽,電子音楽,不確定性を含んだ音群的音楽,ライブ・コンピュータ音楽の萌芽,という彼のそれぞれの様式を代表する4つの作品で構成される。今史朗の音楽的魅力をまずは福岡の人に知ってもらうことから始めたい。

<主催者等情報>
主催:
九州大学大学院芸術工学研究院中村滋延研究室,音楽創造研究会九州(KASA)
後援:
先端芸術音楽創作学会(JSSA),日本音楽表現学会,九州大学大学院芸術工学研究院HMEユニット
助成:
日本学術振興会平成24年〜26年度科学研究補助金基盤C・課題番号24520161の研究助成に基づく
問い合わせ:中村滋延
sn@design.kyushu-u.ac.jp
092-553-4553(研究室直通)