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作品解説《ナーガの夢》

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独奏フルートとコンピュータ音響・映像のための《ナーガの夢》
Dream of Naga for Flute, Computer Sound and Computer Graphics

作曲:中村 滋延
フルート演奏:村上 奈美
技術協力:堀尾 寛太
システム協力:城 一裕,松島 大介,堀尾 寛太

<作品解説>

ナーガはインドや東南アジアで信仰されている蛇神のことである.その姿は7つ(または5つ)の頭を持つコブラとして現わされることが多い.天上世界(神)と地上世界(人間界)をつなぐ役割を持っている.
昨年・今年とカンボジアのアンコール遺跡を訪れた私は,入口にナーガの頭部があり,参道にその胴体があるという形式の寺院をよく目にした.崩壊した遺跡の中のナーガを見ていると,アンコールの栄枯盛衰の時の流れが一瞬の夢としてそのナーガの姿に凝縮しているような感じがして,非常に感慨深いものがあった.そして,カンボジアの伝統芸能であるアプサラ・ダンスがナーガの動きを表現したものであるを聞いたとき,アンコール遺跡の中のナーガを動かすための音楽を作ってみようと閃いたのである.
この作品の構成はナーガの7つの頭(中央の頭を軸にした対称形)の構造に基づいている.つまり7つの部分から成り,第1部と第7部,第2部と第6部,第3部と第5部が音楽的に対応しており,第4部が主要部分として中央に位置する.
独奏フルートの音は,例えばインドの大道芸でコブラを操る笛の音に相当する.Max/MSPで作成される音はナーガ(=コブラ)が動きだしてそれに呼応する神々の声やその動きの音に相当する.映像は夢の瞬間瞬間の象徴である.

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