【演奏時間】約10分半【委嘱】日本クラリネット協会【作曲】1983年3月【初演】1983.6、大阪、森ノ宮ピロティホール、日本クラリネット協会第4回フェステイヴァル、【演奏者】本田耕一,岩井秀昭、松原紀彦、小川哲生【出版】アカデミアミュージック日本現代音楽協会シリーズ15、マザーアースA01i29

【概要】クラリネットの運動性を音群的音楽の書法の中で追究した作品。音素材的には多調性を基本にし、独自の調号を持つ特殊音階を設定した。特殊音階は全音階に“ゆらぎ”をもたらし、味わいを増幅するためのものである。

【初演時のプログラム冊子解説】1本のクラリネットだけでも十分に表現力に富む楽器であるだけに、それが4本になった場合の表現力はすごいものです。この編成のおかげで思う存分、自分のやりたいことができたように思います。数年来の私の音楽は、音楽を音群の状態変化として捉えることによって作曲されています。つまり、メロディーとか、バスとか、和音等といった個々の要素の総合として音楽を捉えるのでなく、音の集合体(群)がどのような状態になっているか、という点に焦点をしぼって音楽を捉えて作曲しています。この曲も、もちろんそうした手法で作曲されています。音群の性格によって、全体は13の部分に分けられると思います。じっくりときいていただければ、その13の部分ははっきりきき分けていただけると思います。音の絵巻物として、音群の性格が13段階に変化するのをきいていただければと思います。

【記譜法について】(下記のURLをクリックすると別のタグで拡大表示されます。)

1.音符、2.音群、3.反復音群

4.長さ、5. “Cue”

6.音強、7.調号、8.不規則性、非周期性