※世田谷区役所オフィシャルサイトの中にある「区長へのメール」欄に下記の内容を投稿しました。

保坂展人世田谷区長殿

現在、女子体操のパワハラ問題が世の中を騒がしています。ところがここ数日の間にパワハラ問題から暴力問題にシフトしてきました。映像で示されたコーチによる女子選手への暴力は衝撃的なものでした。

  • 質問1:保坂区長はこの映像をご覧なりましたか。否であればぜひご覧ください。そして撮影された暴力について感想をください。あくまでも暴力そのものについての感想を。たとえば盗撮はよくないとか的外れの感想は不要です。

この衝撃的な事項に関しての唯一の救いは、当事者もメディアも「暴力は絶対NG」という考えを明確に示していることです。そして暴力絶対NGの重要な根拠が被害者自身が暴力を是認しやすく(共依存の関係になりやすく)、それが結果として暴力の連鎖を招くことを明確に示していることです。

  • 質問2:保坂区長は「暴力絶対NG」の認識をお持ちですか、否ですか。

暴力は絶対NGということはまともな世の中を築くための大前提です。しかし世田谷区はこの大前提を区長自らが崩されているのです。昨年のドリームバンド・ジャズ・フェスティバル(以下ドリバン)における公衆の面前での指導者日野皓正氏による暴力を、区長は「暴力の一歩手前(体罰の一歩手前)」として暴力とは認めませんでした。暴力の一歩手前(体罰の一歩手前)はあきらかな嘘です。世田谷区はこの嘘の上に公的行事(税金投入事業)としてのドリバンを続行していることになります。

  • 質問3:保坂区長は嘘をついたという自覚をお持ちですか、否ですか。

嘘は簡単に消えません。世間の人はドリバンの件は忘れかけていたかも知れませんが、今回の女子体操の事件で、今、はっきりと思い出されているはずです。

  • 質問4:保坂区長は今でもあれは暴力ではないと主張されますか。そう主張される場合、その根拠をなるべく客観的視点=物理的証拠視点で示してください。

まだ一年前の事件です。ここではっきりと暴力を暴力として認め、その上でドリバンの継続なり、日野氏の指導者としての適性なりをあらためて議論判断しても何の不都合もないと思います。

  • 質問5:暴力を認めてドリバンを仕切り直しするつもりはありますか。
  • 質問6:今のままのドリバン継続による悪影響についてなにか思いをめぐらすことはありませんか。

最後に一言。子供の権利擁護などのジャーリストとしての活動、社民党代議士としてリベラル的視点による活動などで保坂氏を好意的に評価してきました。世田谷区長になられたこともうれしく思い、期待もしてきました。それだけにドリバン事件の対応はまことに残念のひとことです。

以前にHUFFPOSTでのインタビューで、ジャーナリストとしての立場と区長としての立場によって発言内容は違わざるを得ないというような趣旨を答えられていたのを目にしたことがあります。がっかりしました。立場によって法の解釈がちがってはならないのです。法によって罪をはっきり認めた上においては、現実的な対応への情状酌量の余地までは否定しません。ドリバン事件で言えば「日野皓正氏は明らかに暴力をふるった。これは許せない。しかし私は○○○○の理由で日野氏の講師継続を望む、可否は皆さんの判断にしたがう」とやれば、すくなくとも不信感渦巻く問題にならなかった。要は「知事が嘘をついた」「暴力を許容した」、これらふたつが心ある区民の不安の根源なのです。