九州大学大学院HME(ホールマネージメント・エンジニア)育成ユニットの特別公開講座で平田オリザの講演を聞く。「劇場で培われる対話力」がテーマ。劇作家及び演出家として劇場運営に関わった彼自身の体験談がメイン。特に芸術監督であった「キラリ・富士見」の体験談が面白い。結局は,創造・発信がなければ劇場が滅びるという話しはまことに感銘深い。

HME将来ワーキング・グループの会議で,大阪大学のロボット工学と平田オリザとが結び付いたロボット演劇の話しを私がしたら,「そういうことを中村先生が言うから,中村先生にはHMEの運営には入ってもらわないのだ」とHMEの運営スタッフのある方が言われていたが,今日の平田オリザの話しを聞いて,どう思われたのであろうか。創造・発信を芸術家の自己肥大欲としてしか捉えられていないのは本当に残念。

かねてより,HMEは九大芸工でしか出来ないものを創造発信していかねばならないと私は主張しているが,要は,まさに創造発信がなければアートに関わることは滅びる,つまり劇場やそれに関することは滅びる,と言いたいわけなのです。それを平田オリザは言ってくれたように私は解釈した。