21日から釜山に来ている。釜山の東亜大学の芸術学部の旧知の朴哲弘教授(作曲家)のゼミで話しをするためである。通訳のために同大学の非常勤講師をしている金基弘くんが同行してくれた。話しの内容は「”現代音楽”から現代の音楽へー偏見と建前からの解放」というもので,”現代音楽”の公的位置に疑いを投げかけ,”現代音楽”の建前やそこから派生する偏見から自由になったアートとしての音楽を現代の音楽として評価しよう,というものである。これについての詳細は別の機会にする。
ゼミでの少人数を想定していたら,30人以上の学生や若手の教員が聴きに集まってくれ,話しに非常に興味を持ってくれ,質疑応答は30分以上も続いた。質問も的をついたものが多く,普段,音楽専門の学生を相手に話をする機会が少ないだけに,自分にとってはうれしい時間であった。
釜山へは福岡からフェリーで5時間ほど。海を眺めながらの船旅はなかなかのもので,日頃の憂さを忘れることが出来た。
釜山,いや釜山のみならず韓国の活気には圧倒される。受験戦争などが日本以上で,経済など問題は山積のようだが,この活気を見ていると,今の日本の成熟社会ゆえの停滞の様子がよくわかった。